研究紹介

消化器血液免疫内科学講座は、消化管・血液・免疫・肝胆膵・心療内科の5つのグループで構成されています。各診療グループの研究内容を紹介します。

消化管

消化管グループでは、上部~下部消化管疾患の病態解明や将来的な治療法確立にむけて、さまざまな施設との共同研究を積極的に行っています。

多施設共同臨床研究では、上部消化管分野(①アカラシアや難治性逆流性食道炎を含む食道機能性疾患に対する内視鏡治療の研究、②CRT後再発食道癌PDT症例の術前診断能向上の検討、③食道胃接合部癌の深達度診断や食道扁平上皮癌の色素内視鏡の有用性など)、下部消化管分野(①薬剤による大腸腫瘍抑制効果の検討、②大腸神経内分泌腫瘍治療後の長期経過追跡、③大腸T1癌の長期経過追跡の研究など)を行っています。

また各企業とも連携して、①腸内乳酸菌の動態(ヤクルト)、②蓼藍の抗腸炎効果(あおもり藍産業)、③内視鏡室の微生物拡散対策(ウシオ電機)などの研究を進めています。さらに消化管グループ独自の研究テーマとして、各疾患の病態解明のために消化管粘膜の電気的抵抗の測定を行っています。

当グループは患者様に優しい内視鏡診療を目指して、指導医・専攻医と臨床体験型実習の学生がともに楽しく内視鏡診療をスキルアップしています。

消化管グループ

血液・化学療法

血液・化学療法グループでは種々の臨床研究、基礎研究を行っています。

血液グループ

  • 日本血液学会 血液疾患登録
  • 日本における骨髄腫関連疾患の予後に関する大規模他施設前向き観察研究Ⅱ(JSH-MM-20)
  • 多発性骨髄腫の治療効果を予測するバイオマーカー探索(cell free DNA解析)
  • 多発性骨髄腫におけるSLFN11の機能解析
  • CDH1、MEG3のプロモーターメチル化の多発性骨髄腫における臨床的意義の解析(弘前大学分子病態病理学講座との共同研究)

化学療法グループ

  • 悪性リンパ腫の予後に影響を与える臨床病理学的因子の解明
  • 悪性リンパ腫化学療法における臨床薬理学的検討
  • 胃癌、大腸癌外来化学療法を施行中の患者を対象にしたePROに関する多施設共同研究(PRO-MOTE試験)
血液・化学療法グループ

免疫

免疫グループでは、病態の把握と適切な治療を行うため、診療のみならず日々基礎研究も続けています。

主な研究テーマは、炎症性腸疾患の病態解明に関する研究(①レチノイン酸によるマクロファージ・パイロトーシス制御機構の解明、②シクロスポリンによるSTAT3シグナル調節による腸上皮細胞アポトーシスの制御効果)、炎症性腸疾患の臨床研究(クローン病患者における再燃もしくは寛解維持予測因子の検討、潰瘍性大腸炎治療反応予測バイオマーカーの探索)、関節リウマチの臨床研究等があります。

明るく!楽しく!激しく!がキャッチフレーズで、自己免疫疾患の臨床・研究に興味のある仲間を募集しています!!

免疫グループ

肝胆膵

肝胆膵グループでは、肝臓分野では主にMASLD・MASH、胆膵領域ではEUS-FNAでの研究を行っています。

MASLD・MASHに関しては、肝の脂肪化や線維化にかかわる要因について調査を行っており、腸内細菌叢、インスリン抵抗性、食事因子、遺伝因子、炎症性サイトカイン、酸化ストレスなどとの関連について研究を行っています。
胆膵分野においては、超音波内視鏡を使ったEUS-FNAやInterventional EUSでの治療、診断能、安全性について研究を行っています。

肝胆膵に興味がある方、ご連絡お待ちしております。

肝胆膵グループ

心療内科

心療内科グループでは、機能性消化管疾患、特に過敏性腸症候群(IBS)について、消化管内圧測定による消化管運動の評価、functional MRIを用いた直腸伸展刺激と脳機能に関する研究などを行ってきました。また、岩木健康増進プロジェクトのアンケート調査に参加させていただき、IBSと生活習慣、心理的異常、腸内細菌などとの関連について研究しています。機能性消化管疾患に興味のある方は、ぜひ、ご連絡ください。

心療内科グループ