講座紹介

教授挨拶

福田眞作

私たちの診療科は、伝統的に若手医師の臨床修練に重点をおき、研究面でも臨床に役立つような研究テーマを取り上げて、各グループが活発な研究を展開しています。

臨床面では、消化器内科、血液内科、膠原病内科、心療内科およびがんの化学療法を中心に担当していますが、「病気を診るのではなく、人全体を診る臨床医学」の実践を目標としています。
現在は、25~28名の医師(大学院生含む)が大学病院における診療を担当し、他に約50名の教室員が青森県、北秋田の関連施設で地域医療を担当しています。

2004年(平成16年)から卒後初期研修が必修化されたことにより、医学生の卒業後の進路選択は自由となり、結果として青森県の医師不足、医療崩壊が大きな社会問題となりました。
その対策として、弘前大学はいち早く2009年(平成21年)に「地域枠入試」をスタートしました。

また、2017年(平成29年)から、新専門医制度による専門医研修がスタートし、医療の細分化がより明確にされました。
ご存じのように、本学の診療科は専門性の高い診療を行っており、領域(基盤診療科全19領域)の専門医の取得が最短で取得できるようなプログラムが準備されています。このタイミングで、地域枠医師の県外とくに都市部への流出が懸念されましたが、最小限にとどまっています。
「地域枠入試」がスタートして10年以上が経過し、地域枠の卒業生が約束通りに県内に定着してくれたことで、大学および県内関連施設医において医師不足改善の兆しが見え始めています。

専門医研修に関して、当科では基盤となる内科専門医を早期に取得し、その後のサブスペシャリティ領域(消化器、消化器内視鏡、肝臓、血液、リウマチなど)の研修にスムーズにつながるプログラムを準備しています。
言うまでも、各専門医資格の取得は単に専門領域の医師として一定の水準を確認するプロセスでしかなく、決してゴールではありません。
内科専門医やサブスペシャリティ領域専門医取得後も、大学病院や県内の大小の関連病院と連携しながら、臨床医としての腕を磨いていただきます。

また、当科では積極的に大学院への進学をお奨めしています。学位取得までの過程で培われる論理的思考や深い探究心は、皆さんの将来の臨床に活かされると信じるからです。
専門医取得を目指しつつ、学位を取得するため研究に従事できるようなプログラムを準備し、皆さんの多様なニーズにお応えいたします。
「学位か専門医か」などと二者択一で考えるのではなく、是非、両方の取得を目指してください。

弘前大学の内科学講座が提供する内科専門医のプログラムにつきましては大学病院のHPを、サブスペシャリティ領域専門医の研修システム、研究内容については、当科のHPをご覧になってください。

最後に、地域医療あるいは研究に関心のある多くの皆さんが我々の仲間となることを強く願い、挨拶と致します。

令和3年6月1日
弘前大学大学院医学研究科 消化器血液内科学講座 教授 福田眞作

沿革

当講座(旧内科学第一講座)は、1946年(昭和21年) 初代教授、故松永藤雄先生が東北帝国大学より青森医学専門学校に赴任したのが端緒であります。1948年(昭和23年)に弘前医科大学、1952(昭和27年)年には弘前大学医学部へ改称し、以来70年にわたって600名余りの同門諸氏の先輩を輩出している歴史ある講座です。現在まで、青森県の消化器病学、血液病学、リウマチ・免疫学、心身医学の臨床・研究・教育を主に担当してきました。

松永先生は、就任より当講座の消化器病学の臨床・研究・教育の礎を築きました。1961年(昭和36年)には第3回消化器病学会秋季大会会長を務め、1966年(昭和41年)に大腸ファイバースコープを開発しました。1974年(昭和49年)には医学部長に就任しました。

1975年(昭和50年)には、第2代教授として吉田 豊先生が就任しました。吉田先生は、1993年(平成5年)に第35回日本消化器病学会大会(第1回 JDDW)会長を務めました。また、免疫学的便潜血反応を開発に尽力し、これを用いた大腸がん集団検診の方式を確立しました。1988年より医学部長3期6年、1996年より弘前大学長を2期6年務めました。

1996年(平成8年)には、第3代教授に棟方昭博先生が就任しました。棟方先生は、松永初代教授のもとで大腸内視鏡の開発に携わり、その後も大腸内視鏡検査の診断・内視鏡治療についての研究を重ね、業績を積み重ねました。また、厚生労働省の「難治性炎症性腸管障害調査研究班」の班員として長年にわたり活躍しました。2006年(平成18年)に第61回日本大腸肛門学会総会会長、2007年(平成19年)には第93回日本消化器病学会総会会長を務めました。2004年(平成16年)より附属病院長を務めました。

2007年(平成19年)より、第4代教授として現在の福田眞作教授が当講座を主宰しております。福田先生は、糖質・食物繊維の消化吸収、感染症、内視鏡治療学などのさまざまな臨床学的研究を行ってきました。2016年(平成28年)に附属病院長に就任し、大学病院の運営・管理に尽力しました。2017年(平成29年)には、第10回日本カプセル内視鏡学会学術集会会長を務め、第98回日本消化器内視鏡学会(2019 JDDW)会長を務めました。さらに2020年(令和2年)には弘前大学学長に就任し、「世界に発信し、地域と共に創造する」というスローガンのもと教育研究はもちろん、社会貢献に資する人材育成に取り組んでいます。

松永藤生 名誉教授
松永藤生 名誉教授
(初代 1947~1975)
吉田豊 名誉教授
吉田豊 名誉教授
(2代 1975~1996)
棟方昭博 名誉教授
棟方昭博 名誉教授
(3代 1996~2007)

当講座出身では、中路重之学長特別補佐(健康未来イノベーションセンター長)、佐々木賀広教授(医療情報学講座)、玉井佳子教授(輸血・再生医学講座)、山田康秀教授(浜松医科大学臨床腫瘍学講座)が活躍しています。また、2020年(令和2年)に山形和史先生が弘前大学医学部保健学科教授に、2021年(令和3年)に佐藤研先生が弘前大学健康管理センター長に就任しました。

当講座は、多くの県内自治体病院で同門の先生方が活躍しています。